おむつ代も医療費控除の対象になるって本当?
「毎月かかる紙おむつ代、結構な負担だな……」介護をされているご家族なら、誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
実は、認知症などの治療に伴って紙おむつが必要であると認められた場合、そのおむつ代も医療費控除の対象になります。
「おむつ代は対象外だと思い込んで、レシートを捨ててしまっていた……」そんな「知らなきゃ損」な情報を逃さないために、この記事では、認知症のおむつ代を医療費控除で還付してもらうための手順や、申請のコツを分かりやすく解説します。
認知症のおむつ代が医療費控除の対象になる条件
そもそも、すべてのおむつ代が医療費控除の対象になるわけではありません。国税庁のルールでは、以下の2つの条件をクリアする必要があります。
- その年に医療費控除を受けること(医療費の総額が10万円、または総所得金額等の5%を超えていること)
- 医師による「治療上の必要性」が証明されていること
認知症の場合、寝たきりの状態だけでなく、「脳の病気(認知症など)が原因で排泄のコントロールが難しく、治療の一環としておむつが必要である」と主治医に認められれば、医療費控除の対象に含めることができます。
申請に絶対必要な「2つのアイテム」
医療費控除を申請するためには、通常の医療費とは別に、以下の特別な書類・証明が必要になります。
「おむつ使用証明書」(主治医に発行してもらう)
おむつ代を医療費控除にするための最大のハードルが、医師に書いてもらう「おむつ使用証明書」です。
- かかりつけの医療機関(主治医)に依頼して作成してもらいます。
- 文書作成費用(数千円程度)が自己負担となるのが一般的ですが、還付される税金の方が多くなるケースも多いため、まずは病院の窓口で相談してみましょう。
- ※2年目以降の申請であれば、市町村等が発行する「主治医意見書」の写しなどで代用できるケースもあります(自治体によってルールが異なるため要確認)。
おむつ代の「領収書」
購入した際にもらえる領収書は、確定申告が終わるまで大切に保管しておきましょう。
- レシートではなく、「購入者の氏名」「品名(紙おむつ代であることが明確なもの)」「購入日」「金額」「販売店の名称」がしっかりと記載された領収書が必要です。
- ドラッグストアやネット通販で購入した場合も、領収書や納品書を必ず残しておきましょう。

【実践】確定申告で還付してもらうための手順
書類が揃ったら、いよいよ確定申告(還付申告)を行います。大まかな流れは以下の通りです。
- 医療費の明細書を作成する
おむつ代も含めた「年間にかかった医療費」の合計を計算し、医療費控除の明細書にまとめます。家族の医療費は合算できるため、他の医療費と一緒に計算しましょう。 (※介護保険サービスの自己負担額など、医療費控除の対象になるもの・ならないものを事前に確認しておくとスムーズです) - 確定申告書を作成・提出する
2月中旬〜3月中旬の確定申告期間に、税務署へ提出します(国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使ったスマホやパソコンからの電子申告が便利です)。 - 過去5年分までなら遡って還付を受けられる
「過去の分、申請し忘れていた……!」という場合でも諦めないでください。医療費控除の還付申告は、過去5年分まで遡って(更正の請求等として)申請することができます。
【失敗を防ぐ】申請時によくあるトラブルと注意点
スムーズに還付金を受け取るために、以下のポイントに注意しておきましょう。
- 「おむつ代」と明記してもらう
レシートの品名が「雑貨」や「日用品」となっている場合、税務署から確認が入ったり、控除の対象外と見なされたりするリスクがあります。購入時の品名を正確に記載してもらうか、詳細な明細書を保管しておきましょう。 - おむつ代から「保険金等」を引くのを忘れない
おむつ代に対して医療保険や入院共済金などが支払われた場合は、その金額を差し引いて計算する必要があります。 - 証明書の費用と還付額のバランスを考える
「おむつ使用証明書」の作成費用(自費)がかかるため、おむつ代の年間トータル金額と照らし合わせて、本当に還付額の方が多くなるか事前にシミュレーションしておくと安心です。

まずは領収書の整理と主治医への相談から始めよう
認知症のおむつ代の医療費控除について、お分かりいただけたでしょうか?
「手続きが難しそう」「主治医に頼むのが気恥ずかしい」と思われるかもしれませんが、正しく書類を揃えれば、大切な介護費用の負担をしっかり軽減することができます。
まずは、
- 今年の領収書をしっかり保管しておくこと
- 次回の通院時に、主治医に「おむつ使用証明書」について相談してみること
この2つから、ぜひ一歩を踏み出してみてくださいね。

