「親が認知症っぽくて、公共料金の支払いやお金の管理が怪しくなってきた…」
「毎日のように通帳を探されたり、お金のことで喧嘩になったりして限界…」
認知症が進行すると、これまで当たり前にできていた金銭管理が難しくなり、支える家族の負担は一気に大きくなります。
「成年後見制度を使うべき?」と悩む方も多いですが、実はもっと手軽に日常のお金管理をプロに頼める「日常生活自立支援事業」という制度があります。
この記事では、初心者の方に向けて「日常生活自立支援事業」の仕組みやできること、申し込み方法までわかりやすく解説します。
認知症で親の金銭管理に困る理由

認知症になると、以下のようなトラブルが増えてきます。
- 支払い忘れ・二重払い:電気代や医療費の支払いを忘れる、あるいは何度も払ってしまう
- 通帳や印鑑の紛失:「盗まれた」と思い込み、家族とのトラブルに発展する
- 不要な高額購入:悪質商法や訪問販売に騙されてしまう
「家族だから自分がやらなきゃ」と一人で抱え込んでしまうと、介護をする側の家族が心身ともに疲弊してしまいます。家族の負担を減らすためにも、公的なサポートを活用することが大切です。
日常生活自立支援事業とは?

この制度は認知症高齢者や障害のある方などが、地域で安心して暮らせるように福祉サービスの利用手続きや日常的な金銭管理をサポートする事業です。
都都道府県・指定都市の「社会福祉協議会」が実施主体となっており、公的な機関が運営しているため安心して利用できます。
成年後見制度との違いは?
「成年後見制度」は財産全体の管理や処分の権限を持ちますが、手続きが複雑で裁判所を通す必要があります。
一方、日常生活自立支援事業は「日常のお金の管理(出し入れや支払い)」に特化しており、本人の意思を確認しながら比較的スムーズに利用を開始できるのが特徴です。

具体的にどんなサポートが受けられる?
主に以下のような日常的なお金の管理をサポートしてもらえます。
日常的な金銭管理
- 年金や福祉手当の受領手続き
- 医療費、公共料金、家賃などの支払い代行
- 生活費に使うお金の預貯金の出し入れ
書類や通帳の預かり
- 年金手帳、預貯金通帳、実印・銀行印などの保管
福祉サービスの利用手続き
- 介護サービスの契約や手続きの援助
費用はどれくらい?
相談や見守り自体は無料ですが、実際に金銭管理などの訪問援助を受ける場合は1回あたり1,000円〜2,000円程度の利用料がかかります(※生活保護受給世帯は無料となる場合が多いです)。
詳しい料金やサービス詳細は、お住まいの地域を管轄する全国社会福祉協議会(都道府県・指定都市社会福祉協議会一覧)のホームページで確認できます。
利用開始までの4ステップ

利用を検討したい場合の手順はとてもシンプルです。
相談する
お住まいの市区町村にある「社会福祉協議会」や「地域包括支援センター」に連絡・相談します。
契約を結ぶ
どのような支援を行うか「支援計画」を作成し、本人と契約を結びます。
サービス開始
生活支援員が定期的に訪問し、通帳の管理や支払いの代行などを開始します。
家族だけで抱え込まず、プロの力を借りよう
認知症の親の金銭管理は、家族だけで対応しようとするとお互いにストレスが溜まり、関係が悪くなってしまうことも少なくありません。
「日常生活自立支援事業」のような公的サポートを活用することで、家族の負担を大きく減らし、親との穏やかな時間を増やすことができます。
まずは一度、お近くの社会福祉協議会や地域包括支援センターに「お金の管理で困っている」と相談してみてくださいね。


