【グループホーム|認知症対応型】6つの入居条件を解説!

介護施設

認知症の方の家族介護に限界を感じ、グループホームへの入居を検討される方も多いのではないでしょうか。

すべての認知症の方がグループホームに入居できるわけではありません。

施設ごとに基準が違うため、同一の方でも入居後に退去させられる施設もあります。

ここでは、グループホームに10年以上勤めたケアマネが、入居条件や退去条件について簡単に解説していきます。

個々の認知症の方に合った施設を検討することができるため、ぜひ最後まで読んでください。

入居条件

グループホームは認知症ケアを専門としている施設ですが、認知症の方でも条件を満たさなければ入居することはできません。

制度上の基本的な入居条件と施設ごとに変化する入居条件について紹介します。

原則、65歳以上の高齢者|特定疾病(40~65歳未満)

介護保険サービスの利用は、原則、65歳以上の高齢者(第1号被保険者)が対象です。

ただし、40~65歳未満(第2号被保険者)の方で特定疾病の診断を受けている場合は入居ができる可能性があります。

要支援2 または 要介護1以上の認定を受けている方

グループホームは介護保険の施設であるため、要支援2または要介護1以上の要介護認定が必要です。

要支援2の場合は介護予防のサービスが受けられます。

認知症の診断を受けている方

グループホームでは認知症ケアを専門としているため、医師から認知症と診断されている必要があります。

基本的には特定疾病が原因で認知症の診断を受けている方も入居の対象です。

ただし、認知症の原因となる疾患が急性の状態(症状が急に現れたり、進行したりすること)にある方は対象外です。

施設所在地と同じ市区町村に住民票がある方

グループホームは介護保険制度で地域密着型サービスに位置づけられています。

グループホームとおなじ市区町村に住民票がなければ入居することはできません。

なお、転居し住民票を移し持ってからの期間を条件としている自治体もあります。

共同生活に支障がない方

  • 少人数での共同生活に適応できる方
  • 感染症にかかっていない方
  • 暴言や暴力行為がない方
  • 自傷他害行為がない方
  • 他の入居者や職員に迷惑となる行為がない方

施設ごとの基準はことなりますが、入居判定で共同生活の適性があると判断されなければなりません。

その他

施設によっては、別扱いで入居条件を定めていることがあります。

  • 日常的に自分で身の回りのことができる方
  • 施設でできる医療ケアの範囲の方
  • 医療機関において常時治療をする必要がない方
  • 医療ケアを必要としない方 など

入居を検討される際は、事前に入居条件を施設へ確認されることをおすすめします。

退去条件

グループホームに入居しても、認知症の進行や個々の状況によっては、入居を続けることが叶わず退去を余儀なくされる場合があります。

退去条件も施設ごとに基準があり、「入居契約書」や「重要事項説明書」に記載されています。

同一の状態であっても施設によっては退去させられてしまう場合があるため、入居前に必ず退去条件を施設に確認することをおすすめします。

退去理由

  • 介護認定において、自立または要支援1の認定となった場合
  • 認知症の原因となる疾患が急性の状態と判断された場合
    (症状が急に現れたり、進行したりする)
  • グループホームと同じ地域に住民票がない場合
  • 少人数での共同生活に支障がある場合
  • 長期的に入院される場合
  • 他の入居者や職員に迷惑となる行為がある場合
  • 暴言や暴力行為がある方
  • 自傷行為がある方
  • 自分で身の回りのことができない方
  • 介護度が高い方
  • 常時、医療ケアを必要とする方
  • 入居時に虚偽の申告をされた方
  • 利用料金を滞納される方
  • 家族を含め施設の方針に協力いただけない方

退去先

退去先などは、入居先のケアマネや地域包括支援センターで相談に応じてくれます。

国民生活センターの調査によれば、退去後の行先は、病院、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、有料老人ホーム等ですが、家族と同居することになったケースも少なくありません。

引用元:「認知症対応型共同生活介護」|厚生労働省

まとめ

グループホームは認知症ケアの専門施設であり、制度上の役割も明確なので入居を希望される方も増えています。

役割が明確なため入居条件や退去条件が厳しめな施設もあります

グループホームは、認知症ケアの専門施設として施設ごとにさまざまな特色があるため、入居を希望する施設がどのような基準を設けているのか、事前に確認することをおすすめします。

入居条件や退去条件がわかると、その方に合った施設を検討することができるため、ぜひ施設選びの参考にしてください。

グループホームの入居費用も紹介していますので、気になる方はこちらを読んでみてください。

(参考)
「介護保険制度について~40歳になられた方へ~」|厚生労働省
「介護保険法施行令|e-GoV法令検索、第二条
「介護保険制度について」|厚生労働省
「認知症対応型共同生活介護」|厚生労働省
「特定疾病の選定基準の考え方」|厚生労働省
「若年性認知症支援ガイドブック」|厚生労働省

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